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政府、外国人「育成就労」の転籍手続きで民間事業者認めない方針を固める

日本政府は、外国人技能実習に代わる新制度「育成就労」において、別の職場に移る際の転籍手続きから悪質なブローカーを撲滅するための措置を講じることを決定しました。これにより、民間の職業紹介事業者の介入は当面認められず、さらに自己都合で転籍する際の日本語能力要件もより厳格化されることとなります。この方針は、政府が5日に自民党の部会に提示し、今国会で関連法案を提出することを目指しています。

外国人技能実習制度は、技術や技能の習得を目的として外国人労働者が日本で行うプログラムですが、その制度において、別の職場に移る際の手続きや関連するブローカーの行為が問題視されてきました。これに対処するため、政府は新たな制度の導入を決定しました。

育成就労とは

育成就労とは、技能実習に代わる外国人労働者受け入れの新制度のことです。
技能実習は「人づくり」で途上国の成長に貢献するのを理念とした一方、新制度は国内向けの人材確保を制度目的に掲げる。人手不足対策として2019年にできた特定技能の前段階の育成期間と位置づけています。

転職不可?外国人技能実習制度の現状

外国人技能実習生にとって、転職は通例では許可されません。彼らが来日後、自由な職業選択を行う権利は、技能実習生には保障されていません。この制度の下では、外国人研修生としての期間を終えた後、技能実習生として日本で労働する場合、滞在が認められるのは契約を交わした実習先の企業でのみです。そのため、望まない仕事や企業での勤務を強いられるリスクがあり、転職が困難な上に、場合によっては母国に帰国するしか選択肢がなくなることもあります。

この問題は、外国人技能実習生が直面する困難な現実を明らかにしています。彼らは日本で働くために多大な労力や時間を費やし、その結果、希望とは異なる状況に置かれることがあります。技能実習生としての滞在が、実際には自己のキャリアや将来に不利な方向に向かうこともあるのです。

さらに、この制度の不備は、労働者の権利や人権を脅かす可能性も秘めています。転職の自由が制約されることで、外国人技能実習生は劣悪な労働条件や違法な扱いに対して、身動きが取れない状況に置かれるかもしれません。彼らは自らの権利を主張することが困難になり、不当な扱いを受ける可能性が高まります。

この問題に対処するためには、政府や関連機関が適切な対策を講じる必要があります。技能実習生がより公正な待遇を受けるためには、制度や法律の改革が不可欠です。転職の自由を保障し、労働者が自らのキャリアを積極的に選択できる環境を整えることが求められます。また、労働者や人権団体との協力を通じて、不正や違法な実習先の摘発や取り締まりを行うことも重要です。

さらに、外国人技能実習生自身も、自らの権利や利益を守るために積極的に行動することが必要です。彼らは団結し、不当な待遇や違法な行為に対して声を上げることで、自らの立場を改善することができるでしょう。組合や労働団体と連携し、問題の解決に向けて積極的に取り組むことが重要です。

総じて、外国人技能実習生の転職制約は、労働者の権利や人権に関わる深刻な問題です。政府や関連機関、そして技能実習生自身が協力し、公正で安全な労働環境を実現するために努力することが求められます。

転籍制限期間の緩和と要件の厳格化

技能や技術の習得を目的とする技能実習では、これまで原則として転籍が3年間認められていませんでした。しかし、人材確保をより明確化した新制度である育成就労では、この制限期間が1~2年に緩和されることになりました。

一方、「特定技能」として即戦力となる外国人労働者を受け入れる在留資格では、すでに転籍が認められています。技能実習から特定技能に移行する外国人労働者のうち、約4割が移行後1カ月以内に都道府県をまたいで移動しているという現状があります。しかし、この転籍をそそのかして高額な手数料を取る悪質なブローカーの存在について、業界団体などから懸念する声が上がっていました。

政府は、転籍先の紹介などについて、当面民間の職業紹介事業者の参入を認めない方針を取っています。転籍の手続きは、外国人の受け入れ業務を担う非営利の監理団体を中心に行われ、技能実習の適正性を検査する外国人技能実習機構や公共職業安定所と連携して行われることになります。

また、転籍する際の日本語能力の要件についても変更があります。当初政府の有識者会議が求めた簡単なやりとりができる「A1相当以上」の基準は引き上げられ、日常生活の情報交換が可能な「A2相当」までの範囲を含む新たな試験の導入が検討されています。

これらの措置は、外国人労働者の適切な待遇と、業務の適正化を図るためのものです。特に、転籍を巡る問題やブローカーの悪質な行為を防ぐことで、労働者の権利や就労環境の改善が図られることが期待されています。政府は、外国人労働者を適切にサポートし、公正な労働環境を実現するために、これらの施策を着実に推進していくことが重要です。

引用
外国人転籍、民間仲介禁止 「育成就労」悪質業者を排除 政府方針

毎日新聞より引用
英語・多言語に対応
外国人労働者受け入れにかかせない

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